遠藤寛子氏の小説「算法少女」は、1973年に出版され「サンケイ児童出版文化賞」を受賞。和算という珍しいジャンルを扱った不朽の名作です。
和算とは江戸時代に栄えた日本独自の数学で、当時の人々は、それを丁度、囲碁や将棋をたしなむように親しんでいました。
和算は純粋に“知”の探求であり、数式や図形との“戯れ”です。
思い切って“偏愛”という言葉を使いましょう。
すると、今日我々をとりまくマンガ・アニメ・ゲーム等々、俗にサブカルチャーと呼ばれるものたちと、和算はどこか通じ合うものを感じます。
遠藤氏の小説は、実際江戸時代に出版された和算書「算法少女」をヒントに書かれています。
当時の学術書としてはかなり通俗的なタイトルだと思われますが、そこに何か、出版に関わった者たちの“策”が秘められているような気がしてなりません。
遠藤氏も、我々アニメ製作者も、知らずとその“策”にはまっているのかもしれません。
「算法少女」という和算書の存在を、末永く後世に留めようという“策”です。
ならば、我々は進んで彼らの“策”にはまりましょう。
日本人の知への探求のDNAを、未来ある子供たちに伝えることは、我々の大きな喜びでもあるのです。